<< SDGs研修会 議員・職員対象 | main | 第44回鎌倉市菓子組合による餅つき大会 鎌倉児童ホーム >>

議案第52号鎌倉市本庁舎整備に関する住民投票条例の制定について

平成30(2018)年11月27日  8,270名の署名をもって提出された住民投票条例案を議会の一部で修正し、修正案として提出したその修正案に反対、そして修正した部分を除いた原案にも反対する立場を、20日の臨時会から22日の総務常任委員会を経て、本日の本会議での採決前に会派としての討論という形で述べさせていただきました。



2018-11-24 議案第52号 鎌倉市本庁舎整備に関する住民投票条例の制定について 【意見】 先ず、意見書にある「本件は、8,270人分の連署をもって請求されたものであり、本件請求の意義の重さを真摯に受け止めている」ことを、改めて本議場に出席している議員、理事者で共有したいと考えます。 そして、本議案の討論に入る前に申し上げたいことがあります。付託された総務常任委員会において、請求代表者を参考人としてお呼びし、質疑を通してご意見をお聞きする機会を与えていただきたいと提案いたしました。議会基本条例第6条第5項(その要旨は、公聴会制度及び参考人制度を積極的に活用する)、さらに議長より丁寧な審議をとの発言もありながら、参考人としてお呼びすることができなかったことは大変残念でありました。その理由が、これまで議会以外の場で十分お聞きしてきたとか、本会議場で請求代表者の意見をお聞きしたとか、付託された委員会の責任として、まさにその現場で質疑し、意見をお聞きし議論すべきことに対しその機会が与えられなかったことは、議会基本条例を貫く開かれた議会の精神にそぐわないものであったと考えております。請求代表者の方々の思いを果たして叶えることができたでしょうか。審議時間が残されていたにも関わらず、多数で決められたことと承知しながらも未だ疑問を感じております。いずれまた、総務常任委員会に参考人として出席いただく機会があればいいがなと考えていると共に、改めて議長には議会基本条例の検証を行うようお願い申し上げておきます。 【修正案に反対、修正部分を除く原案に反対の立場で討論】 請求代表者のお一人の発言から他自治体の例を引き合いに強く拘っていらっしゃるのは、第12条だとお聞き取りいたしました。即ち、「市長及び市議会は、住民投票の結果に拘束されねばならない」というものです。 一方、本条は、法令違反の疑いが極めて高く、地方自治法第14条第1項の規定に違反するとの意見書意見を参考に、「住民投票の結果を尊重しなければならない」「住民投票の総数が投票有資格者の2分の1に達したときは、その結果の重みを十分に考慮しなければならない」とし、法令違反を除くべく修正されました。 いかに「拘束」を求めた原案が法令に違反する疑いがあれども、この第12条の修正案では、連署された8,270人の思いが実現できないのではないでしょうか。そして、第12条を大きく修正したこと、第3条、第10条以外について原案を尊重しながらも意見書意見に沿う形で、条例審議ができる修正を加え提案されたご努力は認めますが、このことでかえって住民投票が「手段」ではなく、「目的」となってしまったのではないかと強く感じるのは私だけでしょうか。 広報かまくら5月1日号1面に、「災害に強いまちを目指して−本庁舎は『深沢地域整備事業用地』に−移転します」と掲載されたことから始まった住民投票条例の制定の請求を求める住民8,270人の連署は、それだけで修正案第12条にある通り成立要件の規定がなく「結果を尊重」するに足るものであり、「住民投票の総数が投票有資格者の2分の1に達したときは、その結果の重みを十分に考慮しなければならない」と規定によらずとも、冒頭、皆さんで共有した通りその意義の重さを真摯に受け止めるべきものであります。 修正案にある「深沢移転に賛成」「深沢移転に反対」だけでなく、例えば「場所の選択を住民投票に委ねなくても、よりよい行政サービスを提供してくれる市役所を」との第3の意見を持つ市民は、投票行動に結びつかない行動をとるか、無効投票という選択をすることになるかも知れません。 そして「住民投票の総数が投票有資格者の2分の1に達した」結果が、「深沢移転に賛成」となった場合は、その重みを十分に考慮し「深沢に移転」しなければならないのか、「反対」となった場合は、その重みを十分に考慮し「ここにとどまらなければならないのか」、そして第3の意見となった場合はどうすればいいいのか。これらを予断をもって語ることはできませんが、いずれにしても行政決定された深沢移転に対し、そしてこれからの市役所のあり方を議会において議論する中で、行政のチェック機関である議会がその責任を果たし、住民投票という手段をとらずとも、修正案第12条に規定する内容の趣旨を満たすことが可能であると考えます。その信頼に足る議会の論議を深めていこうではありませんか。 立法事実の観点において、第1条の「市(長)並びに議会に民意を示す」との目的と、「市民の意思を明らかにするための住民投票を行う」との手段を結びつける社会的な事実として、深沢移転がそれに足るものなのでしょうか。そう考える理由は、行政決定でしかなく基本構想すら正式に出来上がっていない現段階において、そして住民投票の前提となる適切な資料の提供を求めている現段階において、さらに平成27年に公表された「津波浸水予測図」を基に作成された「津波浸水想定図」の周知(ハザードマップへの反映等)がされていない現段階において、加えて1丁目1番地とされる「防災」についての議論を主体としつつ、全体最適の議論には遠く及んでいない現段階において、果たして目的を果たす手段が住民投票なのでしょうか。そのように考えることができません。 次に条例の評価について申し上げます。 先ず、必要性についてです。先に述べた通り、第12条の修正の趣旨を汲むとすれば、今後の議会議論の中でこれまでに示された民意(直接請求)をくみ取っていくことが大切であると確認することできます。であるならば、住民投票という手段をとり、その結果を得ることが、かえって今後の議論に深く影を落とすことになるのではないでしょうか。この意味で、本条例を施行する必要性はないと考えます。 次に有効性についてです。先に言及した第3の意見を有する投票有資格者や鎌倉地域、深沢地域以外にお住まいの市民、今後50年間を見据え、これから長く市役所に関わる子どもたちの意見をどう考えればいいのか、これらを考慮する時、今、深沢移転の是非のみを問うこの住民投票は、その有効性を減ずることになるのではないかと危惧しております。 次に、効率性と公平性を併せて述べます。今述べた通り、深沢移転は行政決定の段階です。深沢が選択された大きな理由の一つに、「市有地」であることが挙げられます。その理由を基礎に全体最適の観点から、現在は深沢移転が選択されています。公平性の視点として素朴な疑問を言えば、なぜ「市有地」でなければならないのか、鎌倉、深沢以外の他の地域で土地を買収してでも検討する余地がないのか、今、このことを取り上げて、時計の針を戻すことはしませんが、つまり、深沢移転の是非はひとつの選択をするだけにしか過ぎない公平性の欠如です。そうこうしている間に適地が見つかれば、住民投票をするのですか。提案された住民投票条例対する効率性に疑問を持たざるをえません。 協働性についてです。深沢移転に賛成か、反対か、それとも第3の意見か、議論を深めよりよい行政サービスの提供者たる市役所の実現のための前提が、住民投票を行い移転の是非が示された結果として既成事実化されることに大きな懸念を持っております。それが例え、修正案第12条で「結果尊重」、「住民投票の総数が投票有資格者の2分の1に達したときは、その結果の重みを十分に考慮しなければならない」としてもです。協働性を発揮するためには、適切な情報提供、情報公開とともに議論を深める努力を積み重ねることこそ大切ではないのですか。提案者にそのことを訴えたいと思います。 津波浸水想定図を示したとか示さなかったとかが、深沢移転の是非についての議論の素材になっていますが、よく考えてください、現在地が少なくとも津波浸水想定にわずかしかかかっていない事実は、今後、この場所に公共施設を建設するための良き材料となるのではないですか。市民それぞれが思い描く市役所をひとつ、厳密に定義することは、今はできないかも知れませんが、少なくとも行政サービスを提供できる公共施設の建設候補地としてここが足り得ること、共通に理解できたことは喜ばしいことではありませんか。 最後になりますが、市長に苦言を呈しておきます。そもそもこの住民投票の制定を求める請求が起こった震源地は、広報かまくら5月1日号です。記載事項をよく読めば、市長の言い分も理解できるところですが、市民の目線からはその思いが正確に伝わらなかったことは承知せざるをえません。今後、情報提供、情報公開においては、慎重な対応を望んでおきたいと思います。 以上で、討論を終わります。
maekawa-ayako * - * 10:20 * - * - * - -
このページの先頭へ